[木庵禅師物語]vol.20 隠元老和尚亡くなる
木庵禅師が63歳を迎えられた延宝元年4月3日、黄檗開山隠元老和尚がお亡くなりになりました。進龕、掛真(肖像画をかけてお祀りする)の法語を述べられました。木庵禅師は百ヶ日の間、寝床に休まれることなく、昼も夜もお棺から離れず坐禅されました。また朝晩の読経はかかされず、お供え物も自分自らの手で運ばれました。初七日には魚や鳥を買い求めて池や野に放って隠元老和尚の御鴻恩に報いられました。百ヶ日が終わりますと、隠元老和尚のお棺を送って遺骸を塔に収めて、方丈に帰り初めていつものように僧たちの礼拝を受けられました。
寛文4年、隠元老和尚についで黄檗山第2代住持になられてから隠元老和尚が亡くなられるまでのほぼ10年の間、真心を盡くして隠元老和尚に仕えられ、新しい物やめずらしい物を手にされると、まずず隠元老和尚に召し上がっていただき、その後でなければ口にされませんでした。
出典:木庵禅師物語
発行:昭和57年10月