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[木庵禅師物語]vol.12 太平寺の住持

筍の皮

太平寺は滴るばかりの緑の山々に囲まれていました。木庵禅師は坐禅の余暇には田植えをされたり、野菜の種子を蒔かれたり、畚(もっこ)を負って土を運んだり、薪を採ったりされて、悟後の修行に積まれたました。ある僧が、「隠元老和尚はあなたにどのような禅法をお伝えになりましたか。」と尋ねられますと、木庵禅師は、「私はここにいて筍の皮を剥いでいるのだ。」と答えられ、僧がなおも、「筍の皮を剥いでから何をなさいますか。」というやいなや、木庵禅師はその僧をぶったたかれました。

3年ここで住持をされているうちに仏殿も立派に修復し、寮舎も竣工しましたので、後を弟弟子の即非和尚に譲って、かねてからたびたび強く招請かれていました、象山恵明寺の住持に移られました。

出典:木庵禅師物語
発行:昭和57年10月

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