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[木庵禅師物語]vol.7 禅僧の1つの生き方

寺と花

まず杭州の接待寺で雪関和尚にお目にかかって禅問答され、ついで龍樹寺で雪松法師の楞厳経の講義を聞かれましたが、悟ることができず悶々とした気持ちが増すばかりでした。ある日修行仲間の禅友にそのことを打ち明けられました。
「私はできるだけの努力をしてきたが、今だに仏教の教理もよくわからないし、熱心に参禅したが、悟れそうにもない。どうしたものだろうか。」
と。すると、その禅友は、
「悟りが得られなくても、生涯を清らかな気持ち一筋で参禅を怠らず努めるのもまた、禅僧としての1つの生き方ではあるまいか。」
と言われましたがので、木庵禅師は、ハッとして心が開けて行くように感ぜられました。
禅師は気を取り直し、天童山に行かれて密雲老和尚のもとで参禅されました。

出典:木庵禅師物語
発行:昭和57年10月

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