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[潮音禅師物語]vol.30 南牧山居の詩

雲海

黒滝山に入った潮音禅師は、黒滝山十二景と題する詩をはじめ、毎日たくさんの詩や歌を詠みました。十二景は、日東岩、星中岩、月西岩、の三岩をはじめ、すでに忘れかけられている天壺洞・度驢橋・玲瓏関・大歇嶺などを詠んでいます。

潮音禅師の詩集として世間に知られている「南牧山居詩集」は、貞享4年(1687)に侍者の寿峰が編集したものですが、この中には七言律詩三十首、五言律詩二十首、七言絶句六十四首が納められています。いずれも入山当時の心境や、住山の生活を詠んでいるものですが、そのはじめのところで、潮音禅師は、「黒滝さんの幽邃(奥深い)な風光は、、あたかも中国の天台山を東海の日本に移したかのようにうっとりとさせられた。そこに移り住んで先人の遺徳を偲びながら、月にうそぶき、雲をたがやしながら詠んだ句が以外にたくさんあったので、自らを励まし、弟子を指導するためにいくつかを選んで編んだ」と記してあります。

出典:潮音道海禅師の生涯
発行者:潮音道海禅師三百年遠忌大法会実行委員会

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