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[潮音禅師物語]vol.27 黄檗山に登雲橋を架ける

渓流

延宝8年(1680)正月、黄檗山二代住持木庵性瑫禅師は、慧林禅師に席を譲られて塔頭紫雲院に引退されました。そして、2月3日は70歳の誕生日でした。木庵性瑫禅師に教えを受けた門人達は、紫雲院に集まってその労を慰め、長寿をお祝いしました。

もちろん、老敬心の厚い潮音禅師は、館林の広済寺から幾山川をはるばる越えて黄檗山に上ってお祝いに加わりました。木庵禅師の喜びは何にもたとえようがありませんでした。

数日後、木庵禅師は緑樹院にいた潮音禅師を訪ね、歓談しているとき、「緑樹院の裏を流れる渓流は、ときどき出水暴流して往来を止めるので困る。お前の力でこれに高い石橋を架けてくれたら、黄檗山の風致もよくなり、塔頭のものも大いに助かる。」といわれました。潮音禅師はこれを受け、資金を出され、その年のうちにこの渓流に立派な石橋を架けられました。石橋は「登雲橋」と名付けられました。

残念ながら、現在では渓流も三面コンクリートの側溝となり、登雲橋は姿を消してしまいました。

出典:潮音道海禅師の生涯
発行者:潮音道海禅師三百年遠忌大法会実行委員会

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