[潮音禅師物語]vol.25 旧事本紀大成経
潮音禅師は、賀茂に定林庵をおこしたとき、はじめて日本の神に関心を持たれました。
早くから神道に深く関心を持っていながら、神道の意義については理解できないものがありました。そこで神道に造詣の深い青木端山居士に訊ねてみましたが、「理解できないもの、それが神道だ。」と笑われたのです。ほどなく、池田氏から聖徳太子所製の「憲法本記」京極氏から「旧事本紀」をみせられ、長野氏から、「旧事本紀大成経72巻」を借りて写本しますが、これによって、潮音禅師は神道の極致を知ることになりました。
やがて、本屋の豊島屋の求めで幾度かにわけてこれを出版するのですが、この中に「天照大神の本宮は伊雑宮なり。」とあり、伊勢の神官から偽書だと訴えられ事件になりました。幕府から無許可の出版に加担したと、50日の閉門蟄居を命じられました。閉門中に、「大成経破文答釈」を書き、最後まで「大成経」を信じて疑いませんでした。
出典:潮音道海禅師の生涯
発行者:潮音道海禅師三百年遠忌大法会実行委員会