【レポート】未来の住職塾NEXT 受講録Vol.2
第1回に続き、第2回目の受講録です。おおむね月1回のペースで行われ、その間に宿題があり、その宿題に臨んだ上で、次回の講義に参加します。この宿題という表現、とても懐かしい気分でなんだか引き締まります・・・!第1回の講義では、
- 「方向性を定める」
- 連綿と続く存在価値を確認し、普遍的なミッションを定義する
というカリキュラムのもと、お寺の”ミッション”とはなにか、強いては、自坊(ご自身のお寺)の”ミッション”はなにか、ということを考え、シェアし、揉んでいきました。そして、第2回目となる今回の講義では、その仮説として立てたミッションを、”永続的”で”固有”のものとなるようにさらにブラッシュアップし、そしてビジョンを設定します。
- 「客観的視点を持つ」
- マーケットインの視点でビジョンを設定する
とはいいつつも、これは容易いことではありません。そのミッション、ビジョンを設定するためにまずは同じ席に座ってお坊さんたちで(お坊さんたちでこういうことを考えるという事自体まず、すごい笑)それぞれの置かれているお寺の状況を説明し、ディスカッションをしていきます。
SWOT分析
企業にお勤めの方であれば、言わずと知れたこの「SWOT分析」ですが、お寺でやることなんて、いままであったのでしょうか。個人的にやった方はいらっしゃるかもしれませんが、それをシェアしディスカッションするというのは非常に貴重な機会です。
SWOT分析とは、目標を達成するために意思決定を必要としている組織や個人のプロジェクトやベンチャービジネスなどにおいて、外部環境や内部環境を強み 、弱み 、機会 、脅威 の4つのカテゴリーで要因分析し、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法の一つである。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
- 引用:wikipedia
ここで議論していく中で、感じたことは「弱み」は非常によく思いつくのですが、「強み」がなかなか出てこない。自身を客観視することの難しさを痛感したわけです。しかし、一方でその「弱み」だと思っていることも発想の転換をすれば「強み」に変わることもあるということが言えます。その発想の転換をどう起こしていくか、がある種地方の寺院では問われているのかもしれません。
実際の寺院がクライアント
クライアントというと「ん?」と思われる方もいるかもしれませんが、同じテーブルに座った住職の寺院をモデルケースとして、ビジョンについてブラッシュアップしていきます。
- どんな状況におかれているのか?
- それは永続的なものか?
- そして、その寺院固有のものか?
- ファクトベースか?
- そのビジョンに具体性と納得感があるか?
- 独りよがりになっていないか?
など、さまざまな視点からデビルズアドボケイトしていきます。
悪魔の提唱(デビルズアドボケイト)
devil’s advocate=悪魔の提唱、悪魔の使徒、悪魔の代弁者という意味で、議論を深めるために、あえて反対意見を言うディベートの手法のこと
コンサルをやっている人にとっては当たり前のことなのかもしれませんが、この悪魔の提唱をするのがなんとも難しい業界な気がしています。お寺の方々は空気を読むのがうまいです。つまり、どちらとも言わないスタンスを取ることが多いとの言い換えられます。ここで重要なのはあえて反対の意見を言うということであって、相手を否定してはいけません。しかし、ここがまた難しいところ。ここにこそ空気を読むスキルをいかんなく発揮しなくてはいけません。こうこうこういう理由だから、こういう意見もある、と感情論ではなく理論立てて話すことを意識しないと、思いもしない所で相手を傷つけてしまう可能性があります。自戒の念を込めてあえて書いています・・・笑
さて、そのようにして、実際のクライアントにヒヤリングしながら、限られた時間の中で、議論を深めていきます。今回は自坊(宝林寺)がモデルケースとはなりませんでしたが、違うお寺をケーススタディとしてこのような議論ができたことは学びの多い時間でした。そして、今回の講義では、紹介のみでしたが、時間を見つけてマンダラートにも挑戦してみたいなと思いました。大谷翔平選手がメジャー・デビューしたときに少し話題になりましたね。そのマンダラートはこちらです。それぞれの目標達成するために具体的にどのようなアクションをするか。どうなりたいかが書かれていて、実現されているものがほとんどですね。
このようにして、お寺を様々な視点から見つめてみることで、見えてくるものがあるように感じます。日々お寺で過ごしていると視野が狭くなりがちではありますが、視野を広げ、視座を高くもちつづけられるよう、たくさんの情報に触れていきたいと思います。
今回もみなさまご苦労さまでございました!
合掌