[潮音禅師物語]vol.6 瑞石山で修行に励む
瑞石山で如雪禅師に相見しますと、「参はすべからく実参、悟はすべからく実悟たるべし、胆大粗心で一生を虚しく過ごすべからず。」と一喝されました。そこで、これまでの執着を捨てて瑞石山でひたすら修行に励むことにしました。
はじめの1年は、夜も横にならず坐禅したまま休みといった厳しい修行でした。4年が過ぎる頃、山上村の人たちが臨川庵を造りましたが、如雪禅師からそこに住むように命じられました。夏と冬の修行期のほかは臨川庵に住んで勉強することになったのです。
22才の夏の修行期に、同志と「七純工」という、七日七夜飲まず食わず瞼を合わせず、もちろん、横にもならないというただ坐禅に打ち込むだけの厳しい行をされました。七日目の朝、突然、心の隅に残っていたわだかまりが吹っ切れて心が開けました。そこですぐ如雪禅師の部屋に入ってその見解を話されましたが、「まだ不十分だ。」と、認めらもらえませんでしたが、これ以来、潮音禅師の禅機は一弾と鋭くなりました。
出典:潮音道海禅師の生涯
発行者:潮音道海禅師三百年遠忌大法会実行委員会