【レポート】花まつり・降誕会。
お釈迦様の誕生日、降誕会
降誕会は、お釈迦様の誕生をお祝いする日です。降誕会の別名として、
- 灌仏会(かんぶつえ)
- 仏生会(ぶっしょうえ)
- 浴仏会(よくぶつえ)
- 龍華会(りゅうげえ)
- 花会式(はなえしき)
などとも呼ばれます。また、旧暦の4月8日がお釈迦様の誕生日にあたりますが、地域によって4月8日あるいは5月8日にお釈迦様の誕生を祝います。当山では5月8日にお祝いいたします。
なぜ「花まつり」と呼ぶ?
花まつりという言葉は、お釈迦様がルンビニーの花園でお生まれになられたことに由来します。そのことから、旧暦の4月8日には、お釈迦様のお生まれになられたお姿(誕生仏)を、ルンビニーの花園のように花でいっぱいにした花御堂に安置いたします。そこから「花まつり」というようになったのですが、花は人の”心”をうつします。ひとつひとつは弱く儚く見えても、天地の恵みに支えられて年々歳々花が咲きます。人も花と同じように周囲に支えられ、生かされているかけがえのない、いのちを生きているのだと「花まつり」の日に再認識するのです。
「天上天下唯我独尊」
天上天下唯我独尊とは、「目を見開いて見渡せば、どの生命もどの生命もみな光り輝いている」という意味です。かけがえのない生命の自覚をそれぞれに呼びかけているのです。つまり、お釈迦様のご誕生をお祝いする日というだけでなく、かけがえのない生命を自覚する日でもあるのです。
わたしたちは、このことに気づき、その尊い生命を輝かせるために、明るく、ただしく、仲良く生きることを実践しなければなりません。
甘茶をかける理由
甘茶をかけるようになったのは、お釈迦様がお生まれになられたとき、天界の龍王が”甘露の雨”を天から注いだという伝説からきています。この”甘露の雨”に習い、甘茶をかけます。花まつりに、甘茶をかけるようになったのは、江戸時代からだそうです。また、甘露とは、中国で古来より伝わる天地陰陽の気が調和すると天から降る甘い液体のことを指します。
そして、この甘茶の甘味は、「フィロズルチン」「イソフィロズルチン」という成分によるもので、この甘味成分は砂糖の数百倍にも及ぶそうです。
また、甘茶は、ノンカロリー、ノンカフェインであり、
- リラックス効果
- ダイエット効果
- 抗カビ作用
- 抗アレルギー作用
などがあり、いつでも誰でも飲むことのできる非常に有能なお茶です。
クリスマスにイエス・キリストの誕生をお祝いするだけでなく、4月8日あるいは5月8日に甘茶とともに、お釈迦様の誕生をお祝いしましょう。
※12月25日がキリスト降誕祭、クリスマスとなっていますが、12月25日がイエス・キリストの誕生日ではないそうです。イエス・キリストの誕生日は判明しておらず、史実をもとに定めた日が12月25日となっています。