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[木庵禅師物語]vol.8 13日間の坐禅行

合掌

27歳になられて木庵禅師は永覚和尚のもとで、教えに従って13日に限って、中夜を分かたず寝食も忘れて坐禅に打ち込まれました。すると2日目には夕暮れ時のような気持ちになられ、3日目を迎えますと、急に身体中が軽くなり、澄み切ってきました。公案(禅の問題)と自分が1つになって、振り放そうとしても振り切れません。そして満願の13日目の夜を迎えました。坐禅の席から立ち上がり皆の後について歩いておられますと、仏壇の灯火が焔をほとばしらせ自分がその灯火の影の中を行く姿を見つめているように覚えました。その時、心が広くからっと晴れてきて、これまで心にわだかまっていた何物かに触れたように感じました。この何物かがハッとしてわかってしまうと、重い鉄枷をはずされたときのように心が軽くなって、その軽快さといったら何物にも喩えることができませんでした。

出典:木庵禅師物語
発行:昭和57年10月

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