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[潮音禅師物語]vol.14 上州眞福山に進山

寳林寺旧境内絵図

寛文7年(1667)2月、黒田泰嶽、須田覺心、吉田大機等の勧めで上州(群馬県)館林領の邑楽郡新福寺村、眞福山寳林寺に進山されました。

この寺は、日頃から潮音禅師が敬慕されていた中峰国師の法孫、大拙祖能禅師が弘法の道場として開かれたと伝えられるもので、打ち続いた兵火により、再建も思うにまかせず荒れたままに放置されていたものでした。この進山の法語の中に、

「破屋数椽、纔かに風雨を支える。」

とあることでもその様子がわかります。

このような状態で進山し、潮音禅師は法座を開き、黄檗禅の教化をはじめました。潮音禅師の法座は、蘊蓄のある講話と巧みな説法でたちまち周辺の大評判となり、集まる道俗は東上州にとどまらず、西上州からさらに信州(長野県)にまで及びました。

そして、寳林寺を領内となする館林城内にもその評判が届いたのです。

出典:潮音道海禅師の生涯
発行者:潮音道海禅師三百年遠忌大法会実行委員会
絵:橋本豊治
引用:峻翁令山和尚 やまた本坊廣園寺の開山さま

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