[木庵禅師物語]vol.21 三門建つ
延宝3年4月、隠元老和尚をお祀りする開山堂の棟上げ式が挙げられ、7月に入ると、萬寿院が開山堂の右側に建てられました。同5年の空きには松隠堂の方丈を移し、四方に垣を築いて、開山堂や開山塔を守護するような形にされました。また、天王殿の石の階段を築かれましたが、両側の石壁は数丈(一丈は33.11メートル)にもなりました。縦横一丈あまりの水盆を天王殿の前に設けました。参詣者は冷たい清潔な水で口をそそぎ手を洗うのにたいへん悦びました。
翌年には、静岡県駿河の横田道補信士が銀一万両を寄進されましたので、三門が建てられました。縦21肘(一肘は42センチメートル)横33肘、高さ39肘という広大なもので、5月3日、棟上げ式があり、9月には落成し、7日間盛大な仏事法要が執り行われました。黄檗山の主な建物は総門を残してほぼ整いました。
出典:木庵禅師物語
発行:昭和57年10月