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[木庵禅師物語]vol.19 江戸の瑞聖寺

紫雲山瑞聖寺大雄宝殿

関東地方での黄檗宗の教線は日に日に拡がり、上野に萬徳山広済寺が潮音和尚によって建てられ、また江戸に紫雲山瑞聖寺が鉄牛和尚を住持として迎えられました。寛文11年4月、瑞聖寺の伽藍が竣工したのを機に、かねてから心にかけられておられた紫衣下賜への御礼もかねて江戸へ旅立たれました。5月9日、無事瑞聖寺に入られ、進山式をあげられました。

参詣者は引きも切らず1日1万人といわれました。また、木庵禅師が江戸に出てこられたというので、酒井雅楽頭のをはじめ幕府の高官たちが御斎(ごちそうの宴)を設けて次々に木庵禅師を邸に招かれました。この時、鉄牛和尚を首座に、潮音和尚を西堂に迎え、瑞聖寺で坐禅会が催されました。

たまたま法弟の即非和尚が亡くなられた報せがもたらされました。木庵禅師はいたく悲しまれ位牌を設けて法要をいとなまれました。

出典:木庵禅師物語
発行:昭和57年10月

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