木庵禅師物語 2020.12.12

［木庵禅師物語］vol.13 日本へ渡来

慧明寺に住持されてから１年あまりたった頃、隠元老和尚から、「海を渡って日本に来て教化の手伝いをするように」と親書が届けられました。木庵禅師は、「日本においでになるお師匠様のいいつけであるから、そむくわけにはいかない」と言って、45歳の夏7月9日海を渡って長崎に上陸、出迎えられて福済寺にお入りになりました。

ちょうど1ヶ月後の8月9日には隠元老和尚は大阪摂津の普門寺へと旅立たれましたので、木庵禅師は、諫早までお伴をされ、あわただしい師弟の異国での別離に悲しまれましたが、翌年2月16日には法弟の即非和尚を長崎に迎え再会を歓ばれました。

木庵禅師は、冬の修行期が終わると、鐘板に封をされて、隠元老和尚が長崎に帰って来られるのを待たれました。