[潮音禅師物語]vol.3 出家得度
慈雲寺では、お師匠さんの泰雲和尚のお気に入りとなりました。
13才になると、お父さんが二度目のお嫁さんをもらうことから、頭を剃って、得度し慈雲寺に入ることになりました。慈雲寺は観音菩薩をご本尊とする臨済宗のお寺で、すぐ近くにある三岳寺の末寺でした。三岳寺は徳川家康の信任の篤かった閑室元佶禅師の開かれた立派なお寺です。得度されると泰雲和尚から学ぶだけでなく、三岳寺にも行って時の瑞巌和尚に相見し、その指導を受けながら修行に励みました。瑞巌和尚が「阿誰話(たそのわ)」をお話されると即座に「座上に老僧なく、目前に和尚無し」と答えられたので、たいへん驚かれ、「この子は素晴らしい素質をもった子だ」と泰雲和尚にいわれ、よく指導するようにと話されたということでした。
出典:潮音道海禅師の生涯
発行者:潮音道海禅師三百年遠忌大法会実行委員会